稻置
表示
概要
関連文献
姓氏家系大辞典
上古の地方官名にして、村邑の長、卽ち邑首なれば、中世の郷長、後世の庄屋·名主に當ると云ふも可なり。詳細は(日本上代に於ける社會組織の〓究)を見よかく此の稻置は上古官職名たりしなれば、一般の姓とは區別すべきなり。(通常稻置は首姓を賜はれり。)されど上古の後期に於いては國造、縣主等の地方官名と同樣、カパネとして一般に使用さるゝに至れり。之を官職的カバネと云ふ。天武朝八姓の制を定められし時も、最下位に稻置姓あり。但し其の後此のカバネを賜はれる者あるを見ず。斯く稻置はカバネとして用ひられしのみならず、稻置たりし者の或者は、稻置なる名稱を以て氏となしたるもの尠からず。次に列記せるは多くそれなり。されど中には稻置なる地名を負ひしものなしとせず。(從來稻置に關しては語義より押して、種々の說をなす者あれど、事實に反するを以て私考のみを述ぶ。)稻置は稻城、稻木、因木、因支等の文字を用ふ、猶ほ印代、稻毛の如きも、此の稻置の轉訛と考へらる。又稻置部なる部の民もあり。